後輩に仕事をお願いしたいのに、
- 「忙しそうだし、かわいそうかな」
- 「自分でやるべきなのに、押しつけているみたいで申し訳ない」
- 「先輩のくせに、頼るなんて甘えじゃないか」
そんなふうに感じてしまって、
つい自分一人で抱え込んでしまうことはありませんか?
真面目で、周りに気を配れる人ほど、
「お願いする=負担をかける」と感じてしまいやすいようです。
この記事では、
- 後輩に仕事をお願いするときに起こりがちな“罪悪感”の正体
- ついやってしまいやすいNGパターン(あなたを責めない形で)
- その気持ちを少しだけやわらげる「やさしい頼み方と言いかえフレーズ」
をまとめました。
少しずつ、自分の気持ちを守りながら、
後輩とのやりとりをラクにしていくヒントになればうれしいです。
悩みシーンの具体例
たとえば、こんな場面をイメージしてみます。
自分の仕事が立て込んできて、「このままだと今日中に終わらないかも…」という夕方。
自分の席の少し離れたところで、後輩が事務作業をしている。
一見、落ち着いているようにも見えるし、
でも、急に声をかけていいのか分からない。「これ、お願いしてもいいかな」と喉まで出かかるけれど、
「やっぱり悪いよな…」と飲み込んでしまう——。
その結果、
- 自分は残業でクタクタ…
- 後輩からは「何かお手伝いすることありますか?」と言われて、余計に申し訳なくなる
という流れになってしまうこともあるかもしれません。
「頼んだほうが全体としてはスムーズになる」と頭では分かっていても、
実際に口に出すのは、思っている以上にハードルが高いものですよね。
やりがちなNGパターン
ここからは、つい選んでしまいやすいパターンを、
「良くないからダメ」というよりも
「真面目な人ほどやってしまいやすい行動」
として見ていきます。
1. すべて自分で抱え込もうとしてしまう
- 「頼むくらいなら自分でやったほうが早い」
- 「これは自分の担当だから、お願いするのは甘えだ」
と感じてしまい、
本来なら分担してよいタスクまで、自分の中に抱え込んでしまうことがあります。
一時的には「自分が頑張れば済む」と思えても、
それが続くと、
- いつもギリギリのスケジュールになる
- 疲れからミスが増えてしまう
- 「また迷惑をかけてしまうかも」と、さらに頼みづらくなる
という悪循環につながってしまうこともあります。
2. 直前まで言えずに、ギリギリでお願いしてしまう
「今は忙しそうだから…」「もう少し様子を見てから…」と考えているうちに、
気づいたら締切の直前になってしまい、
「ごめん、いきなりなんだけど、これ今日中に手伝ってもらえる?」
と、“急なお願い”になってしまうことがあります。
本人としては何日も悩んだ末の一言でも、
相手からすると「急にきた大きな荷物」に感じられてしまいやすく、
お互いに気まずさが残りやすいパターンです。
3. 頼むときに、自分を必要以上に下げてしまう
お願いするときに、つい
- 「こんなこともできなくて申し訳ないんだけど…」
と、自分を強く責める言葉を添えてしまう人もいます。
一見、謙虚に見えることもありますが、
- 自分の評価を自分で過度に下げてしまう
- 後輩から見て、かえって心配させてしまう
ことにつながる場合もあります。
ここで大事なのは、
「こういう言い方をしてしまう自分も、責めすぎなくていい」ということです。
そういう言い方を選んでしまうのも、
それだけ「迷惑をかけたくない」「ちゃんとしなきゃ」と思っているからこそ、ですよね。
言いにくさ・罪悪感の正体
後輩にお願いするときの「言いにくさ」や「罪悪感」には、
いくつかの思い込みや不安が重なっていることが多いようです。
例えば、
- 「後輩の時間を奪う=迷惑をかける」
- 「お願いしたことで、嫌われたらどうしよう」
- 「断れない立場を使っているように見えないかな」
といった考えが心のどこかにあると、
ちょっとしたお願いでも、
とても大それたことのように感じられてしまいます。
ただ、ここで一度立ち止まってみると、
- 仕事は一人ではなく、チームで進めるもの
- 後輩にとっても、仕事を任されることが「経験」「信頼」につながる場合がある
- 「お願い=迷惑」ではなく、「お願い=役割分担」のことも多い
といった側面も、たしかに存在しています。
なお、後輩だけでなく同僚相手でも、似た罪悪感が出ることがあります。気持ちの整理と頼み方の言い換えは、こちらにまとめました。
→ 同僚に仕事をお願いするときの罪悪感をやわらげる、やさしい頼み方と言いかえ
もちろん、職場の雰囲気や人間関係によって、
「お願いのしやすさ」は大きく変わります。
ここでは、誰かの感じ方を「間違い」と決めつけるのではなく、
「そう感じてしまうのも、自然なことなんだ」
と一度受け止めたうえで、
その罪悪感を少しだけやわらげるための言いかえを、
一緒に探していくイメージで読んでいただければと思います。
罪悪感をやわらげる、やさしい頼み方と言いかえフレーズ集
ここからは、
「後輩に仕事をお願いしたいのに、申し訳なくて言えない」
という場面で使える、やさしい頼み方と言いかえフレーズをご紹介します。
そのまま使ってもいいですし、
自分の口調に合わせて、言い回しを少し変えても大丈夫です。
相手の予定を気づかいながら切り出したいとき
【フレーズ①】
「このあと、少し時間に余裕があるタイミングがあったら、
相談したい仕事が一つあるんだけど、お願いしてもいい?」
ポイント
- いきなり「今いい?」ではなく、
「時間に余裕があるタイミングがあったら」と前置きすることで、
相手の予定を尊重する雰囲気が伝わります。 - 「仕事を振る」ではなく「相談したい仕事がある」と言うことで、
まずは状況の共有から始められる形になります。
自分の状況を正直に共有しながらお願いしたいとき
【フレーズ②】
「〇〇の対応で手一杯になっていて、このままだと締切に間に合わないかもしれなくて…。
もし余裕があれば、この部分をお願いしてもいい?」
ポイント
- 「全部お願いします」ではなく、
「この部分を」と範囲を区切って伝えています。 - 「余裕があれば」と添えることで、
無理に引き受けなくてもよい雰囲気をつくれます。 - 自分の状況を具体的に伝えることで、
後輩にも「なぜ今お願いされているのか」が伝わりやすくなります。
後輩の成長にもつながる仕事としてお願いしたいとき
【フレーズ③】
「この案件、今後〇〇さんにも任せていきたいと思っていて…。
最初の一回、私と一緒に進めつつ、ここの作業をお願いしてもいいかな?」
ポイント
- 単なる「仕事の押しつけ」ではなく、
「今後任せていきたい」「一緒にやりたい」というニュアンスを含めています。 - 後輩にとっては、「期待されている仕事」として受け取れる可能性があります。
- 「最初は一緒に」という一言があることで、
お互いの心理的ハードルが下がります。
後輩の得意分野を尊重しながらお願いしたいとき
【フレーズ④】
「この資料作り、〇〇さんのほうが整理が上手だと感じていて…。
もしよかったら、この部分のレイアウトをお願いしたいんだけれど。」
ポイント
- 「得意」「上手」といった言葉を添えることで、
後輩の強みを認める形でお願いできます。 - どこを手伝ってほしいのかを、
「この部分」と具体的に絞って伝えている点もポイントです。 - 無理に褒め言葉を盛り込む必要はありませんが、
心からそう思える部分があれば、一言添えてみるのも一つの方法です。
急ぎだけれど、できるだけ負担感を減らして頼みたいとき
【フレーズ⑤】
「急ぎで申し訳ないのだけど、〇時までにこのチェックが必要で…。
いま対応中の作業に支障がなければ、手を貸してもらえるかな?」
ポイント
- 「急ぎで申し訳ない」と素直に添えることで、
相手も「配慮しようとしてくれている」と感じやすくなります。 - 後輩が抱えている作業を前提にしながら
「支障がなければ」と確認している点も、やさしい印象につながります。 - 本当に急ぎの場面では、
無理に「急ぎじゃないように見せる」必要はありません。
正直に事情を共有するほうが、かえって信頼につながることもあります。
いつも手伝ってもらっていて、気が引けるとき
【フレーズ⑥】
「いつも力を貸してもらってばかりで申し訳ないんだけど、
今回も〇〇の部分だけお願いしてもいい?」
ポイント
- 「ばかりで申し訳ない」と伝えることで、
自分なりにバランスを気にしていることが相手に伝わります。 - それでもあえてお願いしている、という気持ちが、
丁寧な関係づくりにつながる場合もあります。 - 別の場面でこちらからフォローすることで、
お互いに「支え合い」の感覚を持ちやすくなります。
担当の“引き継ぎ”として少しずつ任せていきたいとき
【フレーズ⑦】
「この仕事、今後は〇〇さん中心で回していけるようにしていきたいと思っていて。
最初の何回かは私もサポートしながら、少しずつお願いしてもいいかな?」
ポイント
- 「今回だけ」でなく、「今後」を見据えたお願いになっています。
- いきなり全部任せるのではなく、
「最初の何回かはサポートする」と伝えることで、
後輩の不安も和らぎやすくなります。 - 自分一人が抱えてきた仕事から、
チームの仕事へとシフトしていくイメージにもつながります。
フレーズを使うときのコツ
ここまでいくつかのフレーズをご紹介しました。
フレーズを使うときのコツを、いくつかだけ挙げておきます。
1. 自分の話し方に合わせて“ゆるく”カスタマイズする
- 文章を少し短く区切って、話しやすいリズムにする
など、あなたの口調に合わせて、
言い回しを少し崩して使ってもまったく問題ありません。
2. 「今日はやめておこう」という選択肢も残しておく
どうしてもその日は、
心も体も消耗していて「お願いを切り出す余裕がない」こともあります。
そんな日は、
- あえて「今日は自分でやる」と決める
- その代わり、明日以降に同じ状況になったら一言だけ言ってみる
というふうに、「今できる範囲」で考えてあげても大丈夫です。
3. 成功・失敗ではなく「試してみた自分」を評価する
フレーズを使ってみても、
相手の反応がイマイチな日も当然あります。
- 忙しくてそっけない返事が返ってくる日
- 思ったように引き受けてもらえない日
そんなときに、
「やっぱり頼んだ自分が悪かったんだ」
と全て自分のせいにしてしまうと、
ますます頼みにくくなってしまいます。
それよりも、
「今日は勇気を出して、いつもと違う言い方を試してみた」
という事実を、そっと自分に認めてあげることのほうが、
長い目で見て大切だと思います。
明日から試せる“小さな一歩”
いきなり「頼み上手」になる必要はありません。
最後に、明日からできそうな小さな一歩をいくつか書き出してみます。
- 気になったフレーズをひとつだけ、メモ帳やスマホに控えておく
- 「今日はお願いできなかったな…」と思った日も、
自分を責める代わりに
「それだけ相手を思いやっているんだな」と気づいてあげる
頼れない自分を責めるのではなく、
「頼るのが難しい状況の中で、よくここまで頑張ってきたんだな」
と、自分に一度ねぎらいのことばをかけてあげてもいいのかもしれません。
そのうえで、
ここで紹介したフレーズが、少しでもあなたの心を守りながら
後輩とのコミュニケーションをラクにする手がかりになればうれしいです。
私自身も、「頼んだほうがいい」と頭では分かっていても、なかなか言い出せずに一人で抱え込んでしまうことがあります。
だからこそ、「少しずつ試してみる」「言えなかった日も責めない」という視点を、大事にしていきたいなと思っています。
